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消費上向きもデフレ重荷 7~9月期GDP 年4.8%増2009/11/17

消費上向きもデフレ重荷 7~9月期GDP 年4.8%増2009/11/17
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 内閣府が16日発表した2009年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期(4~6月期)比1.2%増、年率換算で4.8%増と2四半期連続のプラス成長となった。年率では07年1~3月期(5.7%増)以来2年半ぶりの高い伸び。輸出や生産が拡大し、個人消費や設備投資にも持ち直し感がみられた。ただ、物価の下落基調も鮮明で、政府内から「デフレ宣言」ともいえる発言も飛び出すなど、デフレ不況の二番底の懸念も広がる。

 ◆政策効果下支え

 アジア経済の回復で輸出が好調を維持し、景気対策効果も相まって個人消費を下支えした。輸出が6.4%増、GDPの約6割を占める個人消費も0.7%増といずれも2四半期連続で増加。設備投資も1.6%増と08年1~3月期以来6四半期ぶりにプラスとなった。津村啓介内閣府政務官は実質成長率のプラス幅が拡大したことに「景気持ち直しの動きを反映した」と語る。

 電機各社はエコポイント効果で、主力の薄型テレビが好調だ。画面サイズ10型以上の液晶・プラズマテレビの出荷台数は6月以来、4カ月連続で100万台を突破。シャープの浜野稔重副社長は「販売強化策は計画通り」と話す。トヨタ自動車など自動車大手も、エコカー減税を追い風に業績が上向き、10年3月期の通期業績見通しを相次いで上方修正した。ホンダは10月、主力2工場の増産に合わせて、従業員を約200人増員した。

 組立産業の活況を受け、素材産業も明るさが広がってきた。鉄鋼大手4社の09年7~9月期はJFEホールディングスが黒字を回復するなど、4~6月期から業績が改善。JFEの若林公平副社長は「需要は中国など各国の経済対策の効果により回復基調」とほっとした様子だ。



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 ◆薄型単価16%低下

 一方で、国内物価の実勢を示す国内需要デフレーターは前年同期比マイナス2.6%と1958年以来約51年ぶりの下落率になった。菅直人副総理・国家戦略担当相は16日の会見で、「デフレ的な状況に入りつつあると懸念をもっている」と述べた。

 市場調査会社のBCNによると、10月の薄型テレビ平均販売単価は10万600円と前年同期比16.6%も低下。パソコンもボーナス減少などで「ネットブック(ミニノート型)など低価格品への流れが進んでいる」(NEC)。9月の全国スーパー売上高(既存店ベース)は10カ月連続の前年割れ。大手スーパー担当者は「特売しか手を出さない消費者が増えている」とため息を漏らす。流通各社は低価格品を充実させているが、消費不況を吹き飛ばす力には乏しい。

 デフレが所得・雇用の減退を招き、消費不況でますます売れなくなる「負の連鎖」が、上向き始めた景気を下押しする懸念も強まってきた。
by momotaro-sakura | 2009-11-17 15:46 | ブログ