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漢方薬保険外に4万人以上の反対署名 厚労省に提出へ

漢方薬保険外に4万人以上の反対署名 厚労省に提出へ

2009.11.28 23:59
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病気・医療

行政刷新会議の事業仕分け=26日、東京都新宿区(魚眼レンズ使用) 政府の行政刷新会議の事業仕分けで医師が処方する医療用漢方薬を「公的医療保険の適用外」とする方向で結論を出したことについて日本東洋医学会(寺沢捷年(かつとし)会長)が4万人以上の反対署名を厚生労働省に提出することが28日、分かった。保険外になれば医療用漢方薬を病院で処方することができなくなるためで、製薬業界も「漢方医学の現状を知らない人の議論だ」と反発を強めている。

 「公的医療保険の対象として湿布薬、うがい薬、漢方薬など薬局で市販されるものまで含めるべきか。見直すべきではないか」

 今月11日の行政刷新会議に提出された、財務省の論点ペーパーに沿って行われた議論の結果、市販類似薬は「保険外」の判定となった。市販類似薬の範囲については「議論が必要」と結論を先送りしたものの、漢方薬が「保険外」となれば医師の処方はできなくなる。保険診療と保険外診療を併用する混合診療は、原則禁止だからだ。

 判定について、日本東洋医学会の寺沢会長は「重要な治療手段となった漢方薬を医師の手からもぎ取る暴挙。民主党のマニフェスト(政権公約)には『漢方を推進する』と書かれており、国民に対する裏切り行為だ」と指摘。同学会が24日からホームページ上で反対署名を募ったところ、27日までに4万人の署名が集まった。30日にいったん締め切り、12月1日に厚労省に提出する予定だ。製薬会社、ツムラの芳井順一社長も12日の決算説明会で「漢方医学の現状を知らない人の議論だ」と批判した。

 日本漢方生薬製剤協会が平成20年11月に行った調査によると、医師の約8割が「西洋薬で効果のなかった症例で漢方薬が有効」などの理由で、漢方薬を処方した経験があるという。


漢方薬の保険外し、漢方業界の現状を知る契機にすべき
政治ニュース】 V 2009/11/29(日) 09:04

  行政刷新会議のワーキンググループが行った「事業仕分け」で、漢方薬を健康保険の適用外とする方向性が発表されたことで医療界や漢方薬を服用している患者らを中心に反発の声が挙がっている。署名活動に加え、ここ数日で各メディアがこの件を報じ始めたことで、SNSサイトmixi(ミクシィ)では、関連ニュースに対して現在までに4000件以上のユーザーがコメントをするなど、ネット上をはじめとする世間の関心が高まりつつあるようだ。

  「事業仕分け」では11日に湿布・うがい薬とともに漢方薬の保険適用を外す方向性を打ち出した。その理由は、調剤薬局やドラッグストアでも類似薬として販売されているため、医師が処方を出すことによって保険を適用させる必要性が低いというものである。そのような類似薬の保険適用を外すという方向性は打ち出されているが、具体的な対象範囲などについては現時点では決まっておらず、今後厚生労働省などで議論を重ねて決定していくべきとされている。

  結論が出た11日以降しばらくはメディアで大きく取りあげられることなく時間が経過していたが、医療従事者や患者を中心に結論を不安視する声が出始め、日本東洋医学会・日本臨床漢方医会・NPO健康医療開発機構・医療志民の会の4団体が連合で20日、「漢方を健康保険で使えるように署名のお願い」(http://kampo.umin.jp/)サイトを立ち上げ、「医師が処方する漢方薬は市販の漢方薬と同じではない」「西洋医学・漢方薬の併用によってガンをはじめとする難病治療が可能になっている」などを理由に漢方薬を「国民の健康を守るためになくてはならない」ものとして保健外しに反対する署名活動を開始した。

  署名活動が臨床現場やインターネットを通じてじわじわと広がりを見せ、25日ごろよりメディアにも署名活動が取り上げられ始めたことで本件に関する社会的認知度が急上昇していった。現在、多くの個人ブログやSNSサイト等で、署名を求めるユーザーの書き込みが見られるようになった。署名は30日、12月7日の2回の締切が設定され、2回に分けて厚生労働省に提出されるとのことである。署名数はすでに4万件を超えているという。
  ネット上でも保険外しに対する反発の声が多くあがっており、「こんな事まで仕分けしていたなんて全然知らなかった」「東洋医学に目を向け始めている世界の流れに背く行為」「ちゃんと現状を把握した上で仕分けしているのか」など、実際に医師処方による漢方薬を利用しているユーザーを中心に怒りの声が続々と寄せられ、記事を取り上げて「署名しました」とブログなどで報告するユーザーが多くなっている。

  しかしその一方で、「現時点で具体的に決まったわけではない」「医師の処方でしか出せない漢方薬は保険外しの対象には入らないのではないか」「『薬漬け』や『飲み残し』によってムダになっている保険があり、それをなくそうということではないのか」として署名に対して慎重になるように呼びかける声もネット上では見られる。

  これらのユーザーの意見は、署名に対して真っ向から反対するものではなく、その多くは「市民レベルで理解できる情報が少なすぎてうかつには判断できない」という考え方からくるものである。病院で漢方薬の処方を受け、直接恩恵にあずかっている人々を除けば、日本国内における漢方薬、さらには東洋医学・伝統医学と呼ばれる分野の現状を知っているという人はごくわずかであるというのが実際のところだろう。

  今回騒ぎが大きくなったことで、政府や行政刷新会議による補足説明などが世間に対して行われることになるかもしれない。また、企業を含めた東洋医学関連団体・機関は、漢方医薬についての長所、短所などの基本的な知識から、医療現場での利用状況、現在中国が国を挙げて大々的な世界進出を始めている中国医学(中医)に対する日本漢方の位置づけを含めた漢方医薬界の現状まで、広く市民に宣伝して理解を求める努力をしていく必要がありそうだ。

  市民が求めているのは「廉価」「効果」「信頼性」である。(編集担当:柳川俊之)


ツムラの芳井順一社長は
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12日の決算説明会で「昨夜は怒りに震えて一睡もできなかった」という。病院で漢方治療している人は多いだけに「保険給付から外すのはあまりに乱暴」(野村証券の漆原良一アナリスト)との声がある。12月下旬に結論が出るまで神経質な値動きが続きそうだ



【ツムラ・芳井社長】漢方薬の“保険外し”に反発‐「事業仕分け」の結論を一蹴


芳井社長
 ツムラの芳井順一社長は12日、都内で開いた中間決算説明会で、内閣府の行政刷新会議が実施した「事業仕分け」を受け、漢方薬等の市販品類似薬を保険適用外とする方向性で結論が下されたことに関し、「漢方医学の現状を知らない人たちの議論。なぜこういうことになるのか分からない」と強く反発。民主党のマニフェストで、漢方医学を取り上げている矛盾を指摘し、「明らかにマニフェストと違う方針であり、漢方医学を知らない人だけの議論で、保険適用外の話が進められるはずがない」と一蹴した。


 ツムラは、医療用漢方製剤に特化した事業展開を進めているが、11日の事業仕分けでは、漢方薬等の「保険外し」が俎上に上がった。芳井氏は「保険削除されたらツムラは間違いなく倒産する」と危機感を露わにし、「漢方薬と日本の伝統医学が消えてなくなることにもなる」と強調。主力の大建中湯が全国80大学で採用されている現状を挙げ、「患者さんの治療に大きな支障が出る」と訴えた。

 さらに、民主党のマニフェストで漢方医学を取り上げている矛盾を指摘し、「(民主党には)漢方医療小委員会が設置されているにもかかわらず、なぜ保険適用外の話になるのか分からない」と、苛立ちを見せた。

 その上で、事業仕分けの結果、市販品類似薬を保険適用外とする方向性を打ち出した結論に対し、「漢方医学を知らない人たちだけで議論して、進むはずがない」と反発。「マニフェストの方針とは違うので、保険適用外の話はなくなると楽観視している」と述べる一方、「もしそうならなかった場合には、民主党、行政刷新会議メンバー、厚生労働省にアプローチをかけ、なぜ漢方薬が保険適用になっているのか、しっかり説明したい」との考えを表明した。
by momotaro-sakura | 2009-11-29 16:39 | ブログ