2009年 12月 01日
社保庁の「解雇」、100人の見通し 懲戒職員の一部
長妻昭厚生労働相は1日、年末に解体される社会保険庁で再就職先が未定の職員について、厚労省と来年1月発足の日本年金機構で、計400人程度を採用すると発表した。現時点で、再就職先が決まっていない職員は約520人。長妻厚労相によると、社保庁の職員のうち100人程度が、民間で解雇に当たる「分限免職」となる見通し。分限免職は1964年以来例がない。
厚労省では非常勤職員(2年3カ月間の有期雇用)として200~250人を公募する。対象には来年1月発足の日本年金機構に移れないことが閣議決定されている懲戒処分歴のある職員も含めるが、民間からも受け付けて処分者の過度な優遇を避ける。
処分歴のない職員向けには、機構の准職員として約170人を追加募集。機構内定者でほぼ同数が辞退しており、この枠内で採用する。1年更新の有期職員で、最大7年の雇用とする。いずれも月内に募集を始め、機構発足に間に合わせる方針。
長妻氏は、度重なる不祥事で社保庁への国民の不信感が根強いことから自助努力を求めてきたが、処分を理由に不利益を与えることが二重処分にあたりかねないため、一定の救済が必要と判断した。
公募する厚労省の非常勤職員は、年金記録問題に集中対応するため機構に出向させる130人の穴埋め要員とする。診療報酬不正請求のチェックを補佐するなど、主に地方厚生局での職務となる。
一方で、長妻氏は「面接で過去の経歴をみる」としており、無許可で組合活動をして処分を受けた「ヤミ専従」の約20人など重い処分者については採用を見送る考えだ。