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太陽型恒星の惑星を直接撮影=すばる望遠鏡で世界初-生命存在せず・国立天文台など

太陽型恒星の惑星を直接撮影=すばる望遠鏡で世界初-生命存在せず・国立天文台など
12月4日5時4分配信 時事通信

 地球からこと座の方向に50光年離れた所で、質量が太陽とほぼ同じ恒星の周りを、巨大ガス惑星2個が回っている可能性が高いことが分かった。国立天文台やドイツ・マックスプランク研究所などの研究チームが3日までに、新装置を付けたすばる望遠鏡(米ハワイ島)を使い、画像を赤外線で直接撮影した。
 太陽系外の惑星は、恒星のふらつきや明るさの変化から、間接的に見つかることが多いが、太陽型恒星の惑星を直接撮影で発見したのは世界初という。論文は米天体物理学誌アストロフィジカル・ジャーナル・レターに発表される。
 この恒星「GJ758」の年齢は7億年とみられ、太陽から天王星程度の距離にある惑星の質量が木星の12倍で表面温度が360度、海王星程度の距離にある惑星が木星の10倍で、270度と推定された。
 国立天文台の田村元秀准教授によると、惑星の温度が高いため、液体の水がなく、生命が存在する可能性はない。また、太陽系とは異なるメカニズムで形成された可能性が高い。すばる望遠鏡で今後5年間、500個の恒星について惑星を調べれば、太陽系が普遍的な惑星系か、それとも特異であるかが分かるという。 

巨大惑星:「そっくり太陽」回る すばる望遠鏡で発見
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すばる望遠鏡で撮影した惑星候補(B、C)の赤外線画像。中央の明るい中心星GJ758とともに、点状に写っている=国立天文台の資料を基に作成 太陽型の恒星を回る惑星とみられる天体を、国立天文台など日独米の国際研究チームが直接画像を写す方法で初めて発見した。米ハワイ島のすばる望遠鏡を使った成果。今後5年間で太陽型恒星500個を調べ「第二の太陽系探し」をする。

 見つかったのは、こと座の方向に地球から約50光年離れた恒星を回る天体。中心の恒星「GJ758」は太陽とほぼ同じ質量で、惑星候補は二つあり、うち一つは大きさが木星と同程度、質量は約10倍、温度は300度前後のガス型惑星とみられ、恒星からの距離は太陽と海王星間の距離に相当する。

 太陽系外惑星は、惑星が暗く、明るい恒星の光に邪魔されるため直接観測が難しい。直接撮影では太陽より重い恒星での発見例はあるが、太陽型では例がなかった。

 研究チームは今回、明るい恒星の光をマスクで隠し、電気信号の乱れを大幅に取り除く工夫で従来装置より10倍程度感度を上げる新装置を開発。大気による揺らぎを取り除く補正と組み合わせ、5月から3回にわたり撮影した。【須田桃子】
by momotaro-sakura | 2009-12-04 09:51 | ブログ