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マグマたまる桜島 爆発的噴火は年間最多475回

マグマたまる桜島 爆発的噴火は年間最多475回2009年12月22日17時10分

年間最多となる475回目の爆発的噴火をする桜島=21日午後8時23分、70秒間露光、川添純二郎さん撮影

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発破による人工地震を発生させて行われた桜島の火山体構造探査=10日午前0時7分、鹿児島市、山本壮一郎撮影
 鹿児島の桜島で、地震などを伴う爆発的噴火が観測史上最多を記録した。地下には膨大なマグマの蓄積が進んでいるとみられ、噴火の予知や防災のための懸命な取り組みが続いている。

 桜島は1980年代、南岳火口からの噴火が多発。地震や爆発音、噴石などを伴う爆発的噴火は85年には年間474回を記録した。その後はゆっくりと減少傾向に転じ、2003~07年は年に十数回、08年も29回にとどまっていた。

 しかし今年は南岳火口ではなく、46年に「昭和噴火」を起こした昭和火口からの噴火が急増。爆発的噴火は21日夜に55年の観測開始以来の最多となる475回を記録した。

 噴火回数から80年代と同程度の活動と思われがちだが、福岡管区気象台の大工(だいく)豊・火山防災情報調整官は「噴火回数だけで判断するのは早計」と指摘する。

 錦江湾の北側は約2万5千年前の大噴火によってできた巨大なくぼ地とされ、「姶良(あいら)カルデラ」と呼ばれる。桜島は姶良カルデラの南の縁。その地下には火山のエネルギー源であるマグマが蓄積した「マグマだまり」があり、さらに桜島の直下へつながっていると考えられている。

 火山は、噴火して灰を降らせたり、噴石を飛ばしたりするほか、溶岩や火砕流という形でマグマのエネルギーを消費する。桜島の噴火が多かった85年の降灰量は約2400万トン。しかし、今年は150万トン程度で、その差だけのエネルギーが地下に蓄積されていると考えられるという。

 大工調整官は「大隅半島と地続きになった大正噴火のときの8~9割のマグマが、すでに蓄積されていると見る専門家もいる。今後の噴火活動に備え、静穏なうちに対策を考えておくべきだ」と話す。

■地震や噴石に注意

 桜島の噴火でどんな災害が起こる可能性があるのか。

一つは溶岩の流出。桜島の溶岩は粘り気があって流れる速度が遅く、山頂火口から海に達するまでには数週間かかるとみられる。人が巻き込まれる可能性は小さそうだが、「国道が寸断されると、移動や生活物資の供給に支障が出かねない」と鹿児島県。

 火砕流は高温のガスを伴って、時速80キロ以上の猛スピードで斜面を駆け下りる。しかし、火口から最も近い有村(ありむら)地区までは約2.5キロ。「山の形が変わるほどの噴火でない限り、そこまで到達する火砕流は起きない」というのが専門家の見立てだ。

 心配されるのが火山活動による地震。過去の大規模な噴火の際には、家屋の倒壊や出火で多くの死傷者が出ている。噴石もいつ、どこまで飛ぶのか事前予測が困難だ。今年3月には、昭和火口から約2キロ離れたふもとまで直径1メートル以上ある噴石が飛んだ。

 鹿児島県などは大規模な噴火を想定して、陸路、海路両方で島民を島外に避難させる計画を立てているが、新しい火口が山腹に出現すれば、状況はまったく変わってくる。

■兆候の発見に全力

 桜島の噴火予知や防災のための取り組みも続く。

 気象庁は、桜島を取り囲むように監視カメラや地震計、全地球測位システム(GPS)などを設置。24時間態勢で、地震はもとより、島のあちこちがふくらんだり縮んだりする様子もとらえ、噴火の兆候に目をこらしている。

 東京大地震研究所の金子隆之助教のグループは11月、地震計をこれまでなかった山頂周辺に無人ヘリで運び、3カ所に設置した。南岳火口と昭和火口の噴火は同調しておらず、地下でマグマの「通り道」が枝分かれしていると考えられている。新しい地震計も使って震源地を特定することでマグマの通り道が見えてくると期待される。
一方、京都大や東大、九州大などの9大学と気象庁のグループは今月10日、桜島の各所で爆薬を使い地下の構造を探った。桜島の主に北東側の15カ所で人工的に起こした爆破による地震波を、246カ所の地震計で観測、波を分析している。昨年からの調査で、マグマは錦江湾地下の「マグマだまり」から、桜島の北東側を逆「く」の字に回って通っている可能性が強まってきた。

 京大防災研究所火山活動研究センターの井口正人准教授は「この調査はいわばX線写真やCTスキャン。毎年定期に健康診断をすることで、何が起きているか見えてくる。その結果を噴火予知につなげたい」と話している。(矢崎慶一、森本浩一郎、福島慎吾)

by momotaro-sakura | 2009-12-22 18:15 | ブログ