2009年 12月 27日
福井の街、ぼんやり 12月の黄砂「非常にまれ」
福井の街、ぼんやり 12月の黄砂「非常にまれ」
2009年12月27日
黄砂でぼんやりとかすむ福井市内=同市自然史博物館から撮影
気象庁によると26日、九州から北陸にかけての広い範囲で黄砂が観測された。国内で12月に黄砂が観測されたのは16年ぶりで、県内では福井地方気象台に観測記録が残る1967(昭和42)年以降初めて。
福井市では、水平方向で見通せる距離の「視程」が午後2時に10キロ、同5時には8キロにまで落ち込み、足羽山の市自然史博物館からは市街地がかすんで見えた。
日本気象協会によると、23日に中国からモンゴルに広がるゴビ砂漠の上空に低気圧が停滞し、砂が巻き上げられ、偏西風に乗って飛来したらしい。
偏西風は年間を通して吹くが、黄砂が日本に飛来するのは例年2~5月。福井地方気象台の担当者は「春先は少雨で乾燥するためではないか」と飛来のメカニズムを推測する。砂漠周辺は、冬季はシベリア寒気団が上空にあるため上昇気流が起こりにくく、「12月の黄砂は非常にまれ」と話している。
(北原愛)