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筑波山ろく観光発展へ/TX開業契機に熱い期待

筑波山ろく観光発展へ/TX開業契機に熱い期待


■ひらま こしろう■
TX開業や北関東自動車道など交通体系の変化と、関係7市町村の合併で人口規模やエリアが拡大することを受け、「筑波山周辺に訪れる観光客を1000万人に拡大させたい」と意気込む。民間活力を生かした広域観光プロジェクトを提案。真壁町長6期。68歳。
地域発展の新たな起爆剤になると、つくばエクスプレス(TX)への期待を寄せる市町村長は数多い。直接の恩恵に浴する沿線首長らを横目に、平間小四郎真壁町長は周辺地域でひときわTX開業への熱い期待を抱く。

岩瀬、真壁、大和の三町村合併協議会の会長ながらも、「三町村が合併したらどこへ照準を合わせるか。県都・水戸では食えない。経済発展を考えるなら、筑波山ろくは学園都市の恩恵をどう受けるかだ」と言い切る。

公式な場面でも構わず、つくば市への熱い思いが口をつき、しばしば物議を醸す。合併相手の岩瀬町側から「向いている方向が違う。そんなに言うなら、つくば市と合併すればいい」との批判が絶えない。

しかし、そうした苦言などどこ吹く風、持論を曲げる気配はない。「筑波山は三つの国道(6号、50号、125号)に囲まれた三角地帯」と交通の要衝を力説。今夏開通のTXが追い風となるとして、筑波山ろくの発展可能性を強調する。

TXは県内に、人・モノ・カネ・情報の流れに大変革をもたらすことが予測される。ただ、終点が名だたる観光地でもなく、既存の鉄道路線に接続しないため、流通の常識からは「不完全鉄道」の声が漏れる。

TX終点のつくば市にそれなりの受け皿がなければ、首都圏から人を呼び寄せられない、という地元の不安は隠せない。平間町長も「守り」の姿勢では首都圏への流出路線と化してしまう、との懸念を抱く。

関東の名山として年間四百万人が訪れるものの、筑波山そのものはしょせん二流の観光地。このため、学園都市と一体化した筑波山ろく観光の新たな魅力を開発する戦略が、平間町長にのぞく。

要諦(ようてい)は二つ。従来の観光イメージから脱皮し、世界に誇る研究施設のメッカを研修地としてアピールする。「科学万博から二十年。この遺産を生かし、学園都市を国内随一の研修・修学旅行地として条件整備すべきだ」

もう一つは、つくば市を訪れた外国人や首都圏の観光客らが日光へと流れる観光コースを、筑波山ろくにも目を向けさせること。そのために「世界遺産の日光と連携して観光地としてのレベルアップを図りたい」

平間町長は筑波山周辺の七市町村(つくば市、石岡市、千代田町、新治村、八郷町、大和村、真壁町)で構成する「筑波ブロック広域観光連絡協議会」の会長だけに、根回しに余念がない。

七市町村の人口三十五万人のうち二十万人がつくば市。日光市が合併問題をクリアすれば、中核となる存在の市原健一つくば市長と日光市長のトップ会談を視野に入れる。
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地元の真壁町は登録文化財をテコに、ひな祭りイベントなど新たな取り組みで観光客誘致に成功している。このノウハウを「TX開業による筑波山ろく観光発展に生かしたい」と意欲を見せる。
by momotaro-sakura | 2005-09-30 09:54