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主要企業入社式、社長訓示にじむ危機感

主要企業入社式、社長訓示にじむ危機感

 主要企業が1日開いた入社式では、経営トップから生き残りへの危機感をにじませる訓示が相次いだ。

 新興国などの海外市場に活路を見いだそうとする企業からは、国際的な視点を求める言葉も目立った。

 ◆経営統合◆

 新日鉱ホールディングスと1日付で経営統合しJXホールディングスとなった新日本石油の西尾進路社長は「前例や既成の概念にとらわれず、柔軟な発想で未来へ挑戦してほしい」と語りかけた。

 半導体業界では、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジが合併し、売上高で世界3位の「ルネサスエレクトロニクス」が誕生。急激な業績悪化を受けた合併だけに、赤尾泰社長は「変化の激しい半導体市場に、柔軟に対応するスピード感を期待する」と訴えた。

 ◆再出発◆

 サントリーホールディングスとの経営統合交渉が決裂したキリンホールディングスの三宅占二社長は「絶えず激変する環境で生き残るには、あくなきチャレンジが必要」と強調した。

 大規模リコール(回収・無償修理)問題に揺れたトヨタ自動車では豊田章男社長が「トヨタは再出発した」と語り、再建を目指す日本航空の稲盛和夫会長は「再生への最後のチャンス」と呼びかけた。

 ◆海外にらむ◆

 国内市場が少子高齢化で頭打ちとなるのをにらみ、海外市場の開拓を急ぐ企業が増えている。パナソニックの大坪文雄社長は「英語を自由に操り、異なる価値観を尊重する精神」を求め、日立製作所の中西宏明社長は「グローバル事業へ挑戦するという決意を固めてほしい」と話した。

(2010年4月1日23時00分 読売新聞)
ひとくちコメント

新年度がスタート、多くの企業が入社式を行った。毎年興味津々なのは入社式での「経営トップの訓示」。1日付の夕刊に続き、きょうの各紙にも主要企業のトップがそれぞれの思いを語ったあいさつのポイントを取り上げている。

それによると、世相を反映させるキーワードとしては「これまでの危機モードから脱し、成長へ向けて新たなスタートを切ると強調する姿が目立った」(日経)という。中でも、ほぼ全紙が報じたのが大規模リコール問題に揺れたトヨタ自動車の豊田章男社長の訓示。

例え話が得意の豊田社長はマラソンに例えて「先頭集団にいたが、大転倒した。とはいえ、棄権は許されない。世界中のお客様のためにも、立ち上がって再び走り始めるしかない」と述べ、「君たちは信頼回復のために再出発した年に入社された1期生。トヨタの将来に不安を覚えるのでなく『おれが、私が、立て直す』くらいの強い気持ちをもってほしい」と強調。

フォルクスワーゲンと提携したスズキの鈴木修会長兼社長は「自動車業界は、食うか食われるかの戦いだ」との実情を示し「生き残るために、先生としてVWと提携した。若い力を得て、提携も有利に進めたい」と語った。さらに、「新聞を読んで社会人としての一般教養を高めてほしい」と、具体的なアドバイスもおり込んだという。

一流になるには努力7割、運2割、才能1割」(長谷川閑史・武田薬品工業社長)、「社会が悪い、政治が悪いと何かのせいにしない」(孫正義・ソフトバンク社長)など、新入社員に限らず、先輩社員にも聞かせたいような耳の痛い訓示も多かったようだ。

《福田俊之》




入社式トップ訓示、グローバル化推進訴え。(2010/4/2)
 主要企業が1日、一斉に入社式を開いた。新入社員に対するトップ訓示ではこれまでの危機モードから脱し、成長へ向けて新たなスタートを切ると強調する姿が目立った。各社が最重要課題に打ち出したのがグローバル化の推進。世界で通用する人材になるよう激励するトップが多かった。

 1日に日立製作所の社長に就任した中西宏明氏は新興国を中心に発電所や交通網など社会インフラを整備する国が増え、「大きなビジネスチャンスがある」と指摘。「グローバル事業へ挑戦する決意を固めてほしい」と訴えた。
 パナソニックの大坪文雄社長は「これまでの常識を越えた取り組みを行う」と強調。その一つとしてまず「急拡大する新興国の中間所得層の攻略」を挙げ、新入社員には「世界に通用する専門能力を身に付けてほしい」と注文をつけた。

by momotaro-sakura | 2010-04-02 13:58 | ブログ