2010年 05月 21日
国家公務員の新規採用39%減=11年度、半減目標達成できず-政府
政府は21日、2011年度の一般職国家公務員の新規採用を09年度比で約4割減とする方針を閣議決定した。具体的には、採用者数の上限を09年度(7845人)比で39%減の4783人とする。鳩山由紀夫首相は先月の閣僚懇談会でおおむね半減を目指すよう指示していたが、刑務官など専門職種を抱える府省から異論が強く、当初目標は達成できなかった形だ。
当初は原則5割減に含まれていた海上保安官や刑務官、入国警備官、皇宮護衛官は治安への配慮から除外した。採用抑制率はこれら4職種を除けば47%となる。原口一博総務相は同日の閣議後会見で「安全や命にかかわるところは除外した上で、半減(という方針)に沿った数字ができた」と述べ、目標はほぼ達成できたとの見解を示した。
今回の採用抑制方針は11年度限りの措置。閣議決定では抑制率を▽地方出先機関関連は8割▽本省の企画・立案関連は2割▽専門職種は5割-とした。府省別で削減率が最も高いのは厚生労働省の50%減で、財務、農林水産両省の45%減が続く。
民主党は昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で、国家公務員の総人件費の2割削減や定年まで働ける環境づくりなどを明記。退職者が減少する中で、新規採用抑制方針を打ち出していた。当初は任期付き職員を含む9112人からおおむね半減を目指していた。
◇各府省別の2011年度新規採用者数
単位は人 カッコ内は09年度採用実績比
11年度採用上限 09年度採用実績
内閣官房 6( 60%) 10
内閣法制局 2(100%) 2
内閣府 32( 70%) 46
金融庁 40( 89%) 45
宮内庁 22( 81%) 27
公取委 36( 68%) 53
警察庁 152( 73%) 207
消費者庁 2( -) 0
総務省 120( 65%) 186
法務省 1304( 66%) 1973
外務省 127( 69%) 183
財務省 1308( 55%) 2370
文科省 66( 80%) 82
厚労省 343( 50%) 686
農水省 168( 55%) 306
経産省 177( 65%) 271
国交省 846( 62%) 1354
環境省 32( 73%) 44
合計 4783( 61%) 7845
(2010/05/21-12:30)時事ドットコム