人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【金曜討論】尖閣諸島沖衝突事件 宮家邦彦氏 

【金曜討論】尖閣諸島沖衝突事件 宮家邦彦氏/石平氏
 2010.10.1 07:37産経ニュース
 ≪石平氏≫
“中国依存”の体質を改めよ

 --船長釈放までは日本側のペースで進んでいたが

 「中国漁船の衝突はおそらく偶発的なものであり、9月24日に日本が船長を釈放するまでは、むしろ中国側が苦しかった。尖閣諸島を『自国の領土』と主張しながら、日本に実効支配を許し、日本の国内法に従って処罰されるとなれば、中国国内での批判は高まるばかりだったからだ。かといって、日米同盟を相手に『軍事的オプション』など、決定的な手段を取ることもできず、焦りのあまり、本筋とは関係のない人的交流の停止や輸出停止の措置などを連発していたのだ。だから、日本が粛々と国内法に沿って対処していればいずれ立ち往生するのは中国の方だったに違いない」

 ◎完全な裏目に

 --日本側は、船長釈放で事態を収拾できるとみていた

 「日本にとっては最大限の譲歩をしたつもりだったろうが、それが完全に裏目に出た。『譲歩がさらなる譲歩を生む』という過去の日中関係の歴史を知らなかったのだろうか。船長釈放を機に、苦しかった中国側は優位に立ち、今度は日本に『謝罪と賠償』を求め、さらなる強硬姿勢に出た。この要求を前面に出すことによって、中国は本来『存在しない』領土問題を国際社会にアピールできるし、国内のナショナリズムの高まりにも応えられる。さらには東シナ海のガス田問題など、ほかの問題でも優位に立つことが可能。まさに一石二鳥、三鳥だったわけだ」




千葉「正論」懇話会 「強硬中国、背景に“焦り”」 石平氏が講演
2010年9月30日(木)08:00

(産経新聞)
 第33回千葉「正論」懇話会(会長=千葉滋胤・千葉県商工会議所連合会長)が29日、千葉市美浜区のホテルニューオータニ幕張で開かれ、評論家の石平(せき・へい)氏が「『中華』への誤解と幻想」と題して講演した。尖閣諸島沖で起きた海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件について、石平氏は中国の強硬姿勢の背景には“焦り”があると分析した。

 石平氏は「中国政府が尖閣諸島を領土であると宣言しているにもかかわらず、自国の漁船が拿捕(だほ)されたことで、政府の主張と現実に大きなギャップが生じ、中国の国民に疑問が生じてきた」と解説。日本への強硬姿勢は、中国政府が国内世論を鎮めるためのパフォーマンスだとした。こうした背景から、「日本側は慌てることはなかった。国内法に基づいて処分するという姿勢を貫けば、困るのは中国の方だった」と述べた。



石平(シー・ピン、せき・へい 
1962年 - )[1]は、中華人民共和国生まれの漢族系中国人であり、現在中国系日本人(1世)の評論家。拓殖大学客員教授。2007年末に日本に帰化。主に日中の政治・経済・外交問題について論じている。関東在住の男性。
【プロフィル】石平

 せき・へい 評論家。
1962(昭和37)年、中国・四川省生まれ。北京大学哲学部卒。昭和63年に来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。中国に対する的確な分析で知られ、「謀略家たちの中国」など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。


宮家邦彦氏 ◎譲歩は「国家の死」

 --今後、中国側の出方は?

 「中国は『国慶節』や10月中旬開催予定の党中央委員会を控えて当面、軟化の兆しもちらつかせながら日本の出方を見るだろうが、一連の行事が終われば、『長期戦』に打って出る可能性もある。アメリカやロシア、東南アジア諸国などを牽制(けんせい)したり融和したりしながら、日本を孤立させる戦略を取ってくるだろう。ただ、長期的にみれば強硬姿勢は中国にとってもマイナスだ。国際社会に『中国脅威論』がより一層高まることは避けられないし、日本との摩擦は中国経済にとっても深刻な打撃となる。それに繰り返しになるが、まだまだ中国には日米同盟と全面対決できる準備が整っていない」
 --日本の選択肢は?

 「これ以上の譲歩は絶対にやってはならない。それをやれば、『国家としての死』を意味する。日本としては、尖閣が『自国の領土である』という立場を揺るがすことなく、その上で尖閣周辺の警備の強化や日米同盟の連携強化など、やるべきことをやるほかない。また、日本としては今回の問題を機に対中関係を見直すべきだ。経済的にも“中国依存”の体質を改める必要がある」font>産経ニュース
【プロフィル】宮家邦彦 みやけ・くにひこ
 昭和28(1953)年、神奈川県出身。栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを歴任し、平成17年退官。安倍内閣では、首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
by momotaro-sakura | 2010-10-01 10:23