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キャピトル東急30日に閉館


◎私の思い出の記
玄関前にて(撮影日2006.5.3)
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キャピトル東急30日に閉館
 ビートルズが宿泊したホテルとして知られる東京・永田町のキャピトル東急ホテルが、30日、閉館する。昭和38年の開業以来、ショーン・コネリー、マイケル・ジャクソン、クリントン元米国大統領ら世界のVIPに愛された同ホテルは、レストランの味でも人気を集めた。中でも、「排骨拉麺(パーコーメン)」はじめ名物メニューの多いコーヒーハウス「オリガミ」や中国料理「星ヶ岡」は惜しむ声が多く、ついに別店舗での営業再開が決定。伝統の味は今後も生き続けていく。


 同ホテルは、東京五輪の前年の昭和38年、日本初の外資系ホテル「東京ヒルトンホテル」として開業。以来43年、中でも人気を集めてきたのがその味だ。とくにコーヒーハウス「オリガミ」には名物が多い。

 その1つが「パーコーメン」。醤油味のスープのラーメンの上に揚げた豚肉がのり、ボリューム満点。好みでネギやラー油、七味唐辛子をかけて食べる。豚肉はやわらかく、女性でもペロリと平らげるという一品だ。

 誕生にはこんないきさつがある。開業から2~3年後、当時のリチャード・ハンデル総支配人が「日本のホテルなのに日本らしいメニューがない。日本人が一番好きな料理は何?」とスタッフに聞いたところ、答えは「ラーメン」。だが、洋食のシェフには作り方が分からない。そこで数カ月間、ラーメン店でダシの取り方から修業。箸(はし)を使い慣れない外国人が食べるのに時間がかかることを考慮し、のびない卵麺が考案された。こうして生まれたのが「パーコーメン」だ。

 一方、故ジャイアント馬場さんが食べに通ったというのが「ジャーマン・アップルパンケーキ」。フライパンのように、ヘリが立った形が特徴で、中央に挟まれたスライスしたりんごと、もちっとしたパンケーキの生地が相性抜群。バターとメープルシロップをたっぷりかけて食べる。

 同ホテルによると、「35年ほど前、当時のオーストリア人シェフが、自分のおばあさんが作ってくれたデザートを再現して作った“オーストリア版おふくろの味”。松任谷由実さんも大ファンだと聞いています」。

 また、肉の焼き加減を注文できる本格的なハンバーガー「ジャンボバーガー」や、女優の加賀まりこさんがよく食べに来るという「ナシゴレン」(インドネシア風チャーハン)は、初代総支配人のアジア旅行の経験から生まれたもの。このほか、1日30個しか作らない「リングドーナツ」やバナナを練り込んだ「バナナブレッド」などもロングセラーだ。

 メニューそれぞれに歴史と物語がある「オリガミ」の味には、南こうせつさんや舘ひろしさんら芸能人のファンも多い。ホテル閉館で伝統の味が消えることを惜しむファンの声は多く、「来春、『オリガミ』は赤坂地区で営業再開します。伝統メニューも残りますよ」と同ホテル。味の歴史はさらに続いていく。


★歴史的グルメの名店「星ヶ岡」
 館内の中国料理店「星ヶ岡」は、ホテル以上に長い歴史を誇る名門店だ。星がよく見えることから「星が丘」と呼ばれていた日枝神社の小高い丘に、明治16年、岩倉具視の援助で会員制料亭「星岡茶寮」が開業。主に政財界の接待に使われたが、大正14年に、希代の美食家、北大路魯山人が数奇屋風建築の内部を改装、会員1000人を誇る美食倶楽部の料亭へと生まれ変わる。

 戦災で焼失したものの昭和31年に東急グループがこの一帯を購入し、「星ヶ岡茶寮」を開業。その数年後に、同じ場所にホテルが建設された。

 著名人のファンも多く、最近ではペ・ヨンジュンもお忍びで来店。閉館を惜しむ声の多さに、「星ヶ岡」は12月16日から、赤坂見附駅前の赤坂東急プラザ2階で営業を続ける。

★ビートルズの新作「LOVE」
 20日、ビートルズの新作CD『LOVE』が世界同時発売。発売前日の19日には、キャピトル東急ホテルで試聴会が開催される。このCDは、ビートルズのプロデューサー、サー・ジョージ・マーティンと息子のジャイルズ・マーティンがビートルズの全音源を聴き直し、楽器やボーカルごとに解体、さらに別の曲を組み合わせて新しいサウンドを作り上げたもの。
 CD制作は、ジョージ・ハリスンが生前、「シルク・ド・ソレイユ」とコラボレーションを企画していたのがきっかけ。その後7年の歳月をかけて、ショーの音楽が完成し、6月からはラスベガスのホテルで同名タイトル「LOVE」のショーが行われている。結果的には、ショーの音楽だけでなくビートルズの新アルバムもできたわけだ。
 発売元は東芝EMI、全26曲収録、2800円。

★厳戒態勢だったビートルズの宿泊
 昭和41年、来日したビートルズは同ホテル(当時は東京ヒルトンホテル)最上階の10階「プレジデンシャルスイート」に宿泊。同フロアを借り切り、一般の宿泊客が使うエレベーターは9階までで停止するように設定し、通行証がなければ10階に上がれないように制限するなど、厳重な警備態勢が敷かれた。

 それでも、ホテルを多くのファンがとり囲み、「当時のスタッフによると、部屋はファンからのプレゼントで足の踏み場もなく、彼らは同じフロアの空室で寝ていたそうです。外出禁止にストレスがたまったジョンが『もう解散だ!』とイライラしていたそうです」(同ホテル)。

 メンバーが記者会見を行った「真珠の間」の名物の真珠のシャンデリアのうち1基は製作した田崎真珠(神戸市)が保管し、残りは残念ながら取り壊す。ビートルズが宿泊した部屋の調度品など、彼らにちなむ品が残されるかどうかは、未定だ。

by momotaro-sakura | 2006-11-26 11:52