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ロシア文学とプロレタリア文学

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ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」(亡くなる80日前に完成したドスト氏晩年の最後の長編小説)が今20~30代の年代に読まれている。悩める現代の日本がロシアの120年前に似ているようです。彼には他に「罪と罰」の作品があります。

{120年前
ロシア革命 
ロシア社会民主労働党   
 ロシアにおける「マルクス主義」は、『資本論』のロシア語訳が刊行された1872年から始まった。マルクス主義に立つ政治結社は1883年にプレハーノフ等によって結成された「労働解放団」を先駆とするが、これはわずか5人の組織であり、以後ロシア各地にバラバラと生まれ出したマルクス主義のサークルを統合する組織としての最初の党は、1898年に結成された「ロシア社会民主労働党」をおいて他にない。}


「カラマーゾフの兄弟」は複雑な構成を持つ長大な作品で、信仰や死、国家と教会、貧困、父子・兄弟関係などさまざまなテーマを含む深遠な思想小説である。イワンがアリョーシャに語る「大審問官」は特に有名。

『罪と罰』と並ぶドストエフスキーの最高傑作であり、世界の文学の傑作の一つと高く評価されている。この作品に題をとった映画や劇が数多く作られている。

二十世紀の有名な哲学者であるウィトゲンシュタインは「『カラマーゾフの兄弟』を最低でも50回は精読した」と言っている(第一次世界大戦従軍時の数少ない私物の一つが『カラマーゾフの兄弟』だったため)。

なお、作者自身による前書きにもあるとおり、当初の構想ではこの小説はそれぞれ独立したものとしても読める二部によって構成されるものであったが、作者の死によって第二部(第一部の十三年後の物語)は書かれることなく中絶した。ただし、小林秀雄が評するように、本作は「およそ続編というようなものがまったく考えられぬほど完璧な作品」となっている。

ちなみに続編に関しては、創作ノートなどの資料がほとんど残っておらず、友人知人に宛てた手紙に物語のわずかな断片が記されているのみである。ドストエフスキー本人は続編制作への意欲を手紙に書き表していたが、その三日後に病に倒れた。残された知人宛への手紙では、『アリョーシャがリーザとの愛に疲れ、やがてテロリストとなり、断頭台へのぼる』というようなあらすじが記されてあったらしいが、異説も出されている。どちらにせよ、続編の真相は闇の中である。

2006年から2007年にかけては、新訳(亀山郁夫訳)が古典文学としては異例のベストセラーになり、話題となった。また、東大教官を対象に行われたアンケートでは、全ての分野の本の中で、「カラマーゾフの兄弟」が、「新入生に読ませたい本」の1位に選ばれた。


▼また、今小林多喜二の「蟹工船」が若者に人気を博している。プロレタリア文学が読まれる現代、格差社会が若者の世代に重なってるのではないかと思う。
昭和7年
3月1日 - 満州国の建国が宣言される。
3月18日 - 第61臨時議会召集。
5月15日 - 五・一五事件で、総理大臣・犬養毅が殺害される。
5月 - 斉藤実内閣が発足。
昭和8年
1月30日 - アドルフ・ヒトラーがドイツの首相に就任する。
2月 - 服部之総、論文「明治維新の革命及び反革命」 (「日本資本主義発達史講座」)。
2月4日 - 長野県で教員が思想問題で多数(66校、230名)検挙される(長野県教員赤化事件)。
2月20日 - 作家小林多喜二が治安維持法違反容疑で逮捕される。東京・築地署に留置され特別高等警察の拷問により虐殺される。
2月27日 - ナチスによるドイツ国会議事堂放火事件。
3月3日 - 三陸地震{昭和三陸大津波}M8.1、死者3021名、不明43名、負傷968名。清雲科技大学開設。
3月4日 - フランクリン・ルーズベルトが、第32代米大統領に就任。ニューディール政策始動。
3月28日 - 日本が国際連盟を脱退。

「蟹工船」重なる現代 小林多喜二、没後75年

 今年は作家小林多喜二の没後75年にあたる。代表作『蟹工船』の地獄のような労働と、ワーキングプアと呼ばれるような現代の貧困労働者との類似性が、最近注目されている。

 実際の事件をモデルにした小説『蟹工船』は、海上でのカニの缶詰め作業のため、安い金で集められた貧しい男たちがひどい扱いに怒り、暴力で支配する監督に力をあわせて立ち向かう様子を描いている。

 若年の貧困労働者問題にとりくむ作家雨宮処凛さんと作家高橋源一郎さんは、先月、毎日新聞の対談で、『蟹工船』は現在のフリーターと状況が似ているし、学生たちも共感するという意見で一致していた。

 同じ感想を私も抱く機会があった。没後75周年の記念に、多喜二の母校の小樽商科大(旧・小樽高商)と千葉県我孫子市にある白樺文学館多喜二ライブラリーが共催して『蟹工船』感想エッセーを募集した。応募約120件。14歳の中学生や、中国を中心に海外からもあった。

 小樽商科大の荻野富士夫教授、精神科医の香山リカさん、女子美術大の島村輝教授、シカゴ大学ノーマ・フィールド教授と一緒に先月、選考に加わったのだ。

 一昨年刊行の『マンガ蟹工船』の助けも借りながらじっくり読み込んだ若者たちは濃淡あっても現代との共通性を感じていた。

■貧困労働の現場 共感の声

 大賞は、東京在住の25歳の女性の「2008年の『蟹工船』」。派遣・パートなど多様な働き方が奨励された結果、セクハラも加わって女性の友人たちが住まいを失ったり、休職に追いこまれたりしている姿を訴える。『蟹工船』の奴隷のような労働者が立ち上がれたのは共有する何かがあったからで、いまは「目に見えない誰かによって一人一人撃ち殺されている」。一人で労働組合に加入し、サービス残業代を支払わせた若者のニュースが、「ポスト蟹工船」の物語のような気がすると結んでいた。

 連絡先不明でネットカフェから応募した一人は、派遣労働者は「生かさず殺さず」の扱いをうけ、「足場を組んだ高層ビルは 冬の海と同じで 落ちたら助からない」と書きつけた。

 状況は中国でも似ている。ある中国人学生は「今すばやいスピードで発展している中国では、貧富の差が激しくなり」、父母の苦労をみてきた自分には多喜二の心境がわかる、と。

 フィールド教授は、ネットカフェからの応募作に、最近のニューヨークの高層ビルでおきた窓洗い作業中の転落事故を連想したと話していた。「窓を洗う方も、窓の内側で働く方も、いまは蟹工船に乗っているのではないか。ただ負わされているリスクがちがう」

 多喜二が特高警察の拷問で死んだ2月20日を中心に小樽市や東京などで催しがある。今秋には、日米英などの研究者が協力してイギリスで国際シンポジウムもある。グローバル化によって経済格差や若年労働者の問題がどこでも共通する。

 ガラス1枚の隔たりをどう越えるのか。多喜二は、現代に問いかけている。


▼原油埋蔵量が世界で2位・天然ガスが1位のロシアに対して、その財源で勢いをつけたロシアを世界各国が注目し始めた。東アジアではロシアをはじめ、中国、インドが21世紀をリードする。その中で日本の将来の立場は如何なるようになるのであろうか。
▼アメリカばかりに頼ってる日本も「もっと、しっかりせにゃならん!」と思う。
▼フォトは呉空港。

雨降りお月さん

by momotaro-sakura | 2008-05-13 10:46